◆松山空港における国際航空路線の目指すべき方向性について
玉井質問

2015年の訪日外国人は、推計で前年比47.1%増の1,973万7,400人となり、3年連続で過去最高を更新、円安や訪日ビザの発給要件の緩和、国際航空路線の拡充などを追い風に、中国が前年比2.1倍の499万3,800人、韓国が45.3%増の400万2,100人、台湾、29.9%増の367万7,100人と、アジアを中心とした訪日ブームが続いているとの報道がありました。

既に本格的な人口減少局面に入っている日本では、交流人口の増加によって地域経済の活性化を図るべく、インバウンド促進に向けた取り組みを推進しておりますが、中国経済の先行き不透明感はあるものの、今後も着実な拡大が見込まれるアジア新興国の観光需要を取り込むことが極めて重要であると考えます。

訪日外国人の受け入れ窓口となるのが空の玄関、空港です。お隣、高松空港における国際定期路線は近年拡充が図られ、本県と同じくアシアナ航空が運航するソウル線は週3便、LCC春秋航空の上海線は週4便、チャイナエアラインが飛ぶ台北線は、今月21日から週2便増便されて週6便となります。また、瀬戸内海を挟んだ広島空港では、アシアナ航空ソウル線、中国国際航空大連・北京線がそれぞれ週5便、中国東方航空上海・成都線が週7便、昨年、週9便に増便されたチャイナエアラインの台北線、香港路線には2社が乗り入れしており、地方空港における国際空路の充実が進んでいます。

両空港とも訪日外国人数が大幅に増加しており、広島空港では、全国のトレンドと同水準の成長率との報告があります。

また、訪日需要が大幅に増加する中、大規模空港が外国人利用者を中心に大幅に利用者をふやしている反面、中規模以下の空港では利用者が伸び悩んでいるところもあり、国際線における二極化の傾向があらわれつつあるとの報告もあります。

そこで、お伺いいたします。
本県経済の活性化には、中国、韓国、台湾を初めアジア新興国など訪日外国人の入り込みは重要であり、松山空港国際線の安定運航と路線の拡充は必須であると考えます。

また、観光のみならず、東アジア地域における営業戦略を強化する本県においては、格安航空会社の就航により利便性が向上している近隣空港との差別化を図ってほしいとも思います。松山空港における国際航空路線の目指すべき方向性についてどのように考えられているのか、お示し願いたいのであります。



理事者答弁(門田泰広企画振興部長)

本県の空の玄関である松山空港は、平成26年度の利用者数が過去最高の280万5,000人に達するなど、路線数、利用者数ともに中四国トップの空港でございまして、市街地に近く利便性が高いことや、訪日外国人の約8割が出入国する羽田、成田、中部、関西、そして福岡、この5空港全てに路線を有していること、こういったことに松山空港の優位性があると考えております。

現在、訪日外国人の数が年間2,000万人を超えようとしている中、この流れを本県に取り込むためには、国際定期航空路線の拡充とともに、今申し上げました松山空港の充実した国内路線網を有効に活用し、大都市圏の大規模空港との乗り継ぎの利便性を向上させることにより、訪日外国人の誘客を促進するといった視点も重要であると考えております。

このため、県としては、既存のソウル線や上海線の安定運航の確保、そして、交流が活発化しております台湾との定期航空路線の開設などに取り組むとともに、あわせて2020年の東京オリンピック開催を視野に、首都圏などを訪れる外国人を本県に呼び込むため、国、航空会社、松山空港ビル株式会社などと連携をしまして、国内線、国際線との乗り継ぎを意識した運航ダイヤの設定など、航空ネットワークのさらなる強化を図りますとともに、松山空港における多言語対応の案内表示や通訳システムの導入など、訪日外国人の受け入れ環境の向上に努めてまいりたいと考えております。